マンガ喫茶でまとめて読みたいようなマンガを紹介するブログ

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ミステリと言う勿れがポリコレみたいに受け止められるのは、彼の説教をありがたがる読者が文脈をちゃんと理解してないからです

繰り返しになりますが、主人公の天パくんは全然正しい人間として描かれてません。



主人公は、1巻から明確に「思想が偏った世間知らずのクソガキ」として描かれてます

知識もけっこうあやふやでいい加減なものが多い。

togetter.com



この作品は、「探偵役の人間が正しい人間である」「探偵は間違った推理をほとんどしない」というイメージにそぐわないつくりをしています

彼は推理についても、探偵のように一直線ではなく、フラフラとあれこれ往ったり来たりします。

彼が違和感を感じたものをとりあえずなんでもツッコミを入れていくうちに犯人がぼろを出してしまう、という感じなのです。

私は推理小説を全然読まないのですが、多分探偵もののセオリーを壊すような作品は世にたくさん出ていると思います。

うみねこのなく頃に」でも探偵を「知的強姦者」と名付けたりしてましたし、ほかにも人格的にはクズみたいなやつが探偵をやってる作品もあるでしょう。そもそも金田一少年コンプラ的にアウトなところが結構ありましたしね。

あの手この手で読者を良い意味で欺こうとしている作品は多いのだと思います。

本作はそんな作品の一つです。




ところが、本作品の場合、そんな主人公の天パくんのセリフをそのまんまありがたがってしまう頭の弱い読者さんが結構多かった


彼の主張は、作品中ですら結構「間違ったもの」とか「何言ってんだこいつ」みたいな扱いを結構されてます。

前にも書きましたが、はるかぜちゃんが切り抜きして引用してた部分も「ミスリード」の効果を果たしてます。(いじめに関する一般論としては正しくても、この話の中に出てくるいじめられっ子は単なる被害者ではなく本当に悪いやつです)

yoshikimanga.hatenablog.com


作者さんは読者の読解力の低さにうんざりしたのか、7巻あたりからは整くんとは別の「明確に間違ってるキャラ」「整君と違ってなんとなく正しそうにすら見えないキャラ」を出しています。

イカさんっていうんですけど。

この人は、過去にいろいろつらい目にあってて主人公以外の人間が軒並みみんな嫌い。

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とくに男というものを憎悪している。

さすがに彼女のセリフをありがたがってツイートする人は今のところいないでしょうが

同じような話を、主人公のやんわりとした語りでしゃべったら多分受け入れてた人いるんじゃないかと思います。






また、サブキャラも最初の頃は主人公のぶつぶつ語りを黙って聞いてましたが

最近はちゃんと反発したり、ツッコミを入れたり、「お前おかしいよ」ってはっきりいうキャラが増えてきました。

作者さんは最初から「このキャラはそんなに正しい奴じゃなくて、ちょっと変で気持ち悪い奴だよ」って扱ってます。


それでも不安だったのか、12話では主人公が一人ぼっちの時どんな感じなのかまで描いてます。

主人公は本当に変な奴だし、こいつの推理はあてずっぽうなんですよ。

12話は本当にひどい話で

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「だから女性が犯人だと思います」で事件解決。 

……ふざけてるでしょ?(エピソード14の前振りではあるんだけどこのクソ雑エピソードほんと嫌い)



わかってなかったのは、彼の演説をありがたがってる読者さんの方であり

その読者さんが、その部分をありがたがって紹介するものだから

なぜかポリコレアフロみたいな名前が広まったりするなどヘイトを稼いじゃったというそれだけです。




ただ、それはそれとして8巻あたりからのミステリと言う勿れはあんまりおもしろくない……

ミステリものってやっぱりある程度整然とした推理があって

綺麗に謎が解けたり犯人をきちっと倒すという要素が楽しさにつながると思うんですが

本作品はそういう推理要素が微妙です。

「主人公の異常なまでの観察能力の高さと特殊な知識」によって支えられているため

推理要素は読者にとってフレンドリーさが全然足りないんですよ。

正直全然謎解きに参加できない。

金田一少年の事件簿やコナンと比べると、ほんとになんもわからん。

この作品のファンだという人に、推理要素の部分について説明してもらってみてほしいんですが

多分ほとんどの人理解できてないと思います。


このあたりの推理要素の不親切さ・とっつきにくさを

補っていたのが主人公の探偵らしくなさ・人間臭さだったと思うのです。

それが本作品の個性だった。




でも、7巻くらいからは、推理要素はますますとっつきにくくなり(8巻の内容とか推理できないよね)

主人公およびライカさんの語りは余計冗長になってしまってテンポが悪くなってしまった。


ちなみに主人公はこういう過去があるので、基本的に大人が死ぬほど嫌い

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