「Reゼロ」に代表されるようなループものでは、死は苦痛ではあるけど死んでも戻されるということは、逆に覚悟さえあれば死にながらなんどでもチャレンジできる。それじゃあ緊張感が出ないということで「プレイヤー」は共有してるけど魂となる人間は一人一人バラバラ。自分が死んだら生き返ることができない。という仕組みにしたのがこの作品。ついでに残機が99と限定されている。
一見緊張感をもたらしてくれるかと思った仕組みだが、実際はgdgdした展開が続く。
このコンセプトだと1人1人がリスクをとることができなくなるし、ほとんどの人間は心が弱いから前に進まず無為に死んでいく。結局特定の何人かだけが物語を先に進める感じになってしまう。
これだと、エデンの檻みたいなのとあまり変わらなくて、プレイヤーが限定される分マンガとしてはあまり難易度の高いことができないという状態に陥ってしまってるこのコンセプトにしたことによって、実際にはより粗末に命が扱われることになる。というかもう途中から劣化版「神様の言う通り」やんこれ。
正直、微妙かなー。
- 作者: 愛南ぜろ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2019/02/09
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 愛南ぜろ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2018/09/07
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
それはそうとしてこのクズ女だけはすごい評価高い
まじで屑だけど、一番このゲームらしさが出ていたと思う。
この要素だけはこの作品のコンセプトならではであって、実際にこういう状況になって「生き残りたければ自分だけ武器をもって後の人間にすべてのリスクを背負わせる」よね。
こんな感じで一人一人のなまなましい感情を描いてくれたら、話としては破綻しそうだけどもっと面白かったと思う。
結局この見せ場の後は途中の展開がダレたのを編集者も察して一気に飛ばしてしまったらしい。ただ、逆に言えば、飛ばしてでも最後に描きたかったものがあるということだから、それは最後に読んでみたい。