「ルウイ。私は現役時代、恥ずべきことをしてしまった。
その代償は大きかったわ。
でも、あなたが誇れる母親になりたかったの
テニスプレイヤーとして誇れる試合をして、あなたにいつか会えることを願っていた。
別の家庭をもった私がこんなことをいう資格はないかもしれないけれど
あなたにあえて嬉しい。 昨日の試合は最高だった。」
「俺には母さんの記憶があまりなくて。
自分を育ててくれたのは倒産となくなったおばあちゃんだと思ってた。
母さんを近くに感じたことはなかったよ
でも、ビデオで母さんの試合を見て、初めて…近くに感じた。
血のつながりを感じた。ああ、この人は俺だ、と思った。
そう感じているからこそ、今この人をなんて呼んでいいのかわからない。
あと…新しい家族がいることで、おれに気を使う必要はないと思う」
「…なんだ。母さんの言ってたこと、理解してるじゃないか」
「少しだけだよ」
「母さんは、お前のために頑張った。
お前はそれを理解した。
なら、母さんと読んでいいと思う。」
「…母さん。
俺は、あなたの持つ強さを受け継ぎたいと思ってる
絶対優勝するからよろしくお願いします。」
いま見ても涙がでる