マンガ喫茶でまとめて読みたいようなマンガを紹介するブログ

★はおすすめ。◯はまあまあ。△は自分は好きだがおすすめではない。☓は読まなくてヨシ!

「9歳からの読解力は伸ばせる」 読解力をLV1~LV4にわけて、それぞれどういうトレーニングが必要かをわかりやすく整理した名著

以前に読解力に関する本を4冊くらい紹介しましたが、それらは「読解力とはなにか」を説明する本で、「どうやって訓練するか」の部分がが弱かったなと思います。


この本はまさにその「訓練」の部分を丁寧に説明してくれている本です。


なにより「親が」子供にたいしてどのように課題を出せばよいのかどのように伝えればよいかという目線で解説してくれています。



小学生の子供がいる保護者の方は、全員買って読んだほうが良いと思います。



また、LV1~LV4の分類を見て、自分はLV2とLV3がちょっと弱いなーとか思った人は立ち読みでいいからチェックしてみると良いと思います。




読む=書き手の気持ちを想像するとか、共感するではない

「違う意味に捉えてしまうと、損害が発生する」文章を要求されているとおりに読む知識と技術。

読解力=ルールを知って、ルールどおりに読む力のこと

「私には読解力がないので」という自己申告は謙遜でもなんでも無く「ルールに興味がない、ルールを守る気がない」と言っているのとおなじで非常に印象が悪い。

読解力の大前提

日本語は全員に読む力があるという前提でコミュニケーションが行われる

・全部読む
・一般的なルールに従って解釈する

が前提。


まず問題文(条件の指示)を取り違えないようにすることが最優先。これを間違えているのがもっとも減点される

全部見ただけではちゃんと読んだにはならない。

ちゃんと目的にあった読み方をしていないとダメ。



インプットを軽視して好きなようにアウトプットする人は何をやらせてもだめ

gabage in gabage outの法則。

ちゃんと読まない、ちゃんと受け取らないくせに自分が言いたいことを我慢できない人。

そういう人は喋れば喋るほど印象が悪くなるので、まずほんとにちゃんと聞きましょう。




「ちゃんと読む」とはなにか。読解力のレベルは以下のように分けられる。 低いレベルをクリアできてない人が上のレベルを目指してはいけない


LV1 :単語読みからの脱却(「必要なこと」を全部読む)


LV2 :文の関係性を把握する(理由や条件など、文の役割を理解する)

問題提起して、「なぜなら」「しかし」と接続詞で繋いでいる場合
 大事なのは問題提起の部分ではない。 接続詞の後のほうが大事。
 ところが、マジで文章読めない人は、問題提起の部分でひっかかる。
 文章のルールを理解してない人になにか言われるの、書き手としては「◯ねどす(´・ω・`)」っていう気持ちになる。


LV3 :言われていることと言われていないことを区別する
 表現を見た時に「この解釈だけはありえない」がちゃんとわかること
 表現されている内容を拡大・縮小解釈したり、歪曲して解釈しない 


LV4: 書かれていない前提を推測して読み取れる
 これはLV3をつうかせずにやると、曲解のもとになるのでLV3をしっかりクリアしたうえでやるべき



LV3が特に重要で、多くの人はここをちゃんと訓練しないから「ちゃんと読めない人」になる

「読み間違いをしない」の壁を越えられないと、想像力はすべて逆効果になる。

これをちゃんと鍛えるために「間違いを選ぶ」「なぜその選択肢が間違いなのかを説明する」という演習を繰り返しやる必要がある

読解力の基礎は、こういう読み方をしてはいけないという事例に多く触れて
正しい読解と誤った読解の境目を知ることがとても大事

LV1のクリアのために :単語読み、タイトルだけ読みを避けるために「二階建てボックス」「テントウ虫BOX」の概念を知る

とくにテントウムシボックスは塾ではよく使われる技法です。


   上段に 条件・理由
   下段に主語 | 行動


を配置する。こうすることで主語と動詞以外の部分を意識するクセをつけさせるというワークです。



LV2のクリアのために 「文章の相関関係を図でイメージするクセをつけさせる」

これはまぁとてもよくある話です。

文章の順番の入れ替え問題を指せるのも有効

図解の方法はこの本を実際に読んでみてください。



「お前は文脈が読めていない」と言われたらLV2の時点で躓いています。

ここがちゃんと理解できていたら、文脈としてありえない解釈はしなくなります。

東大の入試でも段落の並べ替え問題が出るくらいなので、簡単な能力ではありません。



LV3のクリアのために「言い換え能力」を高める訓練をする (間違っても比喩を使わない。下手くそな比喩を使う人は、語彙力が決定的に不足している証拠です)

読解の落とし穴でよく上げられるのはこの3つのパターンです

・逆は必ずしも正ではない。(ネットでよく見かけるミラーリングがたいがいうまくいかない理由)

・方向性はあってるように見えるが、「そこまではいってない」「話が微妙にすり替えられれている」ものを見落としてしまう

・一部の表現を切り取って、自分の脳内で勝手につなぎ合わせることで、新たな主張を勝手に作り出したり、過度に一般化したりしてしまう


文章中の表現が何を意図したものかの解像度をきちんと高めないと、言い換えは出来ません。

「つまりこういうことですよね」という要約や、「より日常的な言葉に置き換える」という訓練をする必要があります。

こういう訓練を常日頃からやることによって、その人が何を言いたいかを高い解像度でつかむ訓練をしているわけです。


この能力を高めるために「逆」「裏」「対偶」の理解が必要になるし「ベン図(集合)」の理解がとても重要になります。

読解力が高い人というのは、この表現だと「この部分は否定されているな」ということが脳内でイメージできています。


人が言ったことを逆の意味で受け取ったことがある人は、LV3の能力が足りていません。

東大の入試でもこの「言い換え」問題は出ます。むしろここが、偏差値が高い人と低い人の一番の差になります。入試で問われるのはこのLV3までです。



読解力が低い人がネットで嫌いな人の発言の要約や言い換えをよくやるわけですが、はっきりいって下手くそな人はすぐわかります。

要約が下手な人や言い換えが下手な人は少なくとも学校の勉強が苦手だったんだな・・・というのがすぐバレます。

なぜなら、受験をやってた人たちは、まさにこのLV2とLV3の訓練をずっとやらされてきたからです。 

訓練をやってない人にはわからないのかも知れないけれど、練習をやってきた人とそうでない人の差はやってきた人には露骨にわかります。




読解力はひたすら訓練なので、

苦手だという人はまずは「音読」から始めるべきです。


そして、苦手なところも読み飛ばさずに全部読むの壁を越えられたら


この本読んで、自分のLVにあったところからコツコツ見返してほしい。


さすがに日本語でいまから小学生からやり直すのは嫌だという人は、英会話でやりましょう。

最近ラジオ英会話とラジオビジネス英語を聞いていますが、ちょうどいい感じで読解力の練習にもなっていると思ってます。


LV4を身につけるために 本文に書かれていない前提を読み取る

・隠された比較や対比構造を見つける(このあたりはよく省略されている)

・感情変化の裏側を想像する(語彙力が重要)

・省略されている常識や前提をきちんと書き出す(教養が必要)

・「違和感」を感じた時に、おかしいと決めつけるのではなく、「隠された前提」を正確に掴む訓練をする




正直LV4は私もぜんぜんわからんので、ちゃんと課題意識を持たねば・・・

【スポンサーリンク】