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「追放者食堂」 なろうのテンプレの極みみたいな作品だけれど、絵はめちゃくちゃかわいいので読みやすい

青 才さんが絶賛してたので、ああどうせ「スライム倒して300年」とか「若者の黒魔術離れが~」みたいな作品なんだろうと思ったら本当にそうだった。



これってなろうテンプレの極みみたいな作品なので、これを絶賛してるのって「お前がなろうのスタンダードな読者だよ」って言いたくなるような作品なんだよね。

それ自体は別にいいんだけど。こういう作品をあそこまで絶賛しておいて一般的な「なろう作品」とか新海誠をバカにする発言してるの自己矛盾が凄すぎませんか?なのに、「俺は他のなろう好きと違って違いが判る男なんだ」みたいな自己アピールしてるの痛々しすぎてもうね……

いやまあ、逆にいうと、自意識が高いけど不遇な人生送ってる青 才さんみたいな人ににこういう作品がささるんだな……。

comic-gardo.com



導入部分については最近のなろうの「追放もの」テンプレてんこ盛りの作品。

あらすじを3行でまとめるとこんな感じ。

・最強のレベル99だけど理解のないパーティーメンバーにハメられて追放されました

・じゃけん悠々自適なスローライフ送ることにしましょうね。

・恋人関係とかめんどくさいけど、可愛い女の子は側にいてほしいので奴隷の女の子を買い取って育てることにしました。

なろうの「追放もの」ここに極まれりなザ・なろうテンプレ

最近で言うと例えばこんな感じの作品が同系統。

なろうはとにかくストレス展開が嫌われるということで、ストレス要素を徹底的には排除する方向に進んでいると聞いたことが有りますが、本作のテンプレートはそれを極めたものといってよいと思います。

なろう作品の一大人気ジャンル「強くて恐れるものがない状態だからこそスローライフを満喫できる」という系統の作品としては「スライム倒して300年~」とか「若者の黒魔法離れが深刻ですが~」などが人気ですが、これをさらに突き詰めて、優れた能力を持っていてもそれを他人のために使わなくて良いという免罪符まで用意した、「癒し全振り」の作品になっています。



面白い面白くないで言えば面白いけど、「感動する」かと言われたら別に……な感じ。ああ、いかにもなろうだなって思う。



なお、基本的にはスローライフ要素なんですが、ストレス要素をうまく取り入れてきちんと緊張感のある作品として「辺境の老騎士」という作品がありますがこちらはとても面白いのでお勧めです。




2巻の途中までは徹頭徹尾読者に優しくて、裏を読む必要がなくて、何も考えずに癒されたい人向けの作品

この主人公の場合は、料理人のスキルも最強なので、食堂を作って来た人に良い料理をふるまってたら一気に人気店になりました、というストーリー。

後は、悩み事を抱えてたり自意識は高いが未熟な冒険者が客としてやってくるのでその人たちを陰から助けて自尊心アップ、、、という感じ。

ストレスは「主人公以外のサブキャラクター」に負わせ、主人公はただそれを楽々と解決していく。主人公自身には何もストレスを与える要素がない。

とにかく主人公にとっては甘くて優しく、そして、自尊心も安定して供給してくれるという、もうマトリクスの見せる幻覚レベルに甘甘な作品。


この手の作品は主人公を際立たせるために「他人(サブキャラ)」はひどい目に合うのもお約束

主人公側が何とかしてくれるという安心感を提供しつつ、サブキャラは徹底的にひどい目に合わせるのがお約束。

①ヤリサーの男に騙されそうになりレ〇プされそうになる女騎士。

②自意識が高くてオンラインサロンに入ろうとしたら使い捨てのコマにされそうになってる男魔術師

③地元の村では一番の優等生だったのに、入った会社ではろくな仕事を与えてもらえず雑用ばかり押し付けられて使いつぶされてノイローゼになり、自殺寸前まで追い込まれた女魔導士

④良家の生まれだったのに親が叔父に暗殺され、奴隷の身にまで落とされた少女

こういうかわいそうな人たちを助けて俺SUGEEEってやるのも「若者の黒魔術」と同じ。

本当に、「若者の黒魔術」と同じ。

この作品を絶賛してしまう青 才さん、改めて思うけど想像力というか共感性が皆無すぎるだろ……。

本当に自分とその極端な身内以外はどうなろうが全く知らんし、むしろそいつらは自分のダシにするっていう物語展開が好きすぎるだろ……。

本人が直接力業で何とかしてしまうのもひねりがなくてちょっと微妙。

エンタメ作品として面白さを否定するものではないが、よくできたエンタメ作品であって、これでなろうの歴史が塗り替わったとか言ってるのどんだけ視野が狭いんや。

ほんと―に彼好みがわかりやすいな。

「とにかく優しくて、登場人物の裏表を読まなくてよくて、俺TUEEEするのにちゃんと人助けという言い訳が与えられている作品」じゃないとダメなんだろう。

なんせ「娘の友達」ですらそういう作品として読むくらいに、優しさに飢えてるし、裏表を読むことを拒否してしまっている。

そこまで心がすさんでハリネズミみたいになってるんだろうか……




あまりにストレス耐性がないので、2巻でちょっとしたストレスで主人公が暴走するのはかなりイタい……

主人公基本的に強キャラであり、何をやらせても力技で何とか出来るわけだけれど、そのせいか2巻の中盤で、ちょっとストレスを感じる要素があった時に暴力をふるう描写があり、ちょっとドン引き……。


そして、この主人公大丈夫かよ……って思ったところでお店焼き討ちって感じのイベント。



あー……のんびりスローライフやってくれてた方がよかったんだけどその後の展開が安直すぎてちょっと萎える……。

これあれだな。ここからは無双モードに入っちゃうのか。

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なんにせよ、原作は特に評価するべき点はないですね。よくあるなろう作品って感じ。

ただ、絵は確かに可愛い。画力の高さをどうやってはかるかはわからないけれど、作品の雰囲気を上手に表現しててうまい。





ただまぁ繰り返しになるけど、青 才さんさあ……さすがにこの作品のことを最先端とか言って絶賛して他の作品をけなすみたいなこと書いたら笑っちゃうぞ。



1月30日追記

ダメみたいですね……。これはまた頓珍漢な記事が出来上がりそう。

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