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「公爵令嬢の嗜み」 ちょっとまって、絵はめっちゃきれいだけど話や設定がぐっちゃぐちゃじゃない?

絵はすごくいい感じで、ストーリーも面白いんだけど全体的に意味不明。



「心優しくて使用人から慕われている人間が、
 それほど悪いことしてないのに悪役令嬢として破滅させられそうになるけど
 とくに破滅せずに、自分を慕う使用人を引き連れて領地に戻り
 イケメン男部下たちとのハーレムを堪能しながら領主代行として立て直しを行う」


ってなんかいろいろ盛りすぎててすごい食い合わせが悪い作品になってる。



とにかく1巻がめちゃくちゃひどい。なんなのこの作品。



しかし絵はめっちゃきれいだし、2巻以降は面白いです







導入部分で悪役令嬢もののテンプレを外してくるのはいいけど…そのせいでぐっちゃぐちゃに

①だいたいプレイヤーとして最後の結末を知っていて
②取り返しがつかないシーンよりだいぶ前の段階からやりなおせるので
③スタート時点で周りからは「人が変わったように」善い行いをすることで
④本来確定しているバッドエンドを回避したり、
 悪役令嬢がメインヒロインに勝利したり
 全員が幸せな結末を迎えるハッピーエンドに到達する


というのがテンプレートになっている。


しかし、この作品の場合、主人公が悪役令嬢に転生した時点がすでに「悪役令嬢が行った悪行の断罪のシーン」である。


全体的に何がどうなってるのかよくわからない。説明がないままどんどん話が進んでいく

つまり、もう取り返しがつかない。普通ならバッドエンドだ。

しかし、この作品の場合、もともと「悪役令嬢は悪役令嬢というほどの悪役ではない」

というより、むしろ直情的で正義感が強い人間で、使用人みんなから慕われるような人間である。

というか本来のゲームのヒロインが悪役令嬢の婚約者である第二王子を奪った形になっている。


あれ?悪役令嬢じゃなくね? むしろこれプレイヤーキャラの被害者じゃね?

だが、愛する王子を奪われた善人がなぜか悪役令嬢として糾弾される場面なわけだ。

……何そのクソゲー

このゲームは、まともな人から王子を寝取る快感を味わうゲームってこと?

しかも、恋路に邪魔だからといって、まともな人を悪役令嬢として破滅させてまで?

元の世界の主人公はプレイヤーとしてそんなゲームに感情移入してたってこと?

私はそんな生々しいれんあいゲームってやだよ!

(一応プレイヤーキャラが直接はめたわけじゃないみたいですけどね)



じゃけん、悪役令嬢に転生した元世界の主人公は、破滅することはなく単に領地に戻り「領地経営をする」話をやりましょうねー

なんじゃそりゃー。もうほんと何なのこの作品。



とにかく
「心優しくて使用人から慕われている人間が、
 それほど悪いことしてないのに悪役令嬢として破滅させられそうになるけど
 とくに破滅せずに、自分を慕う使用人を引き連れて領地に戻って領主代行として立て直しを行う」と。



はあ、もうここまでの設定はみなかったことにしよう……




転生に関する描写がなんかぎこちない

最初に元の世界で主人公が事故死してこの世界に転生するシーンが描かれる。

しかしその後転生した直後から、あこがれのゲーム世界に転生したのに戸惑いなどいっさいなく

ノータイムでこの世界の公爵令嬢としてふるまい始めるので???となる。

記憶はこの世界の公爵令嬢のものを引き継いでおり、かつ現世の主人公の知識や経験を使える。

それらが何の違和感も抵抗もなく融合しているものとして扱われており

読者としては……「今どういう状態なの?説明して!?」ってなる。



うん……もうここまでの転生の部分も見なかったことにしよう。




というわけで、今までの部分はなしにして、転生したら「公爵令嬢が娘を溺愛するパパから領主代行を任された」ところから話がスタートしたということにしとうございます


というわけで、ここまではむちゃくちゃなんですが。

7話まではみなかったことにして8話から話を読むと普通に面白い作品です。

「イケメン&美女」の部下たちに支えられながら美人の公爵令嬢としてのハーレムライフを楽しむ甘々な作品になります。


公爵令嬢の嗜み(1) (角川コミックス・エース)

公爵令嬢の嗜み(1) (角川コミックス・エース)


2巻以降は割と領地経営ものとしてもしっかりやってます。本当はこっちがやりたかったんだなと

というわけで、とりあえずここまで。この後追記していきます

公爵令嬢の嗜み(2) (角川コミックス・エース)

公爵令嬢の嗜み(2) (角川コミックス・エース)

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