ナルト、まもなく読み終わる。
まだ完走できてないけれど、今の時点でもう言っても良いと思う。
すごい面白かった。
特に前半部分のマンガとしての巧みさとか、中盤の人間関係についてあつく語る部分は本当に素晴らしいと思う。
後半のど派手なバトル描写とかもかなり好き。
ただ、だんだん後半になるにつれて、私はつまらないなーって感じる部分が増えてしまった…。
なんでだろうって思ってたんだけど、ボスの思想が古いから同時代性が失われていると私が感じてしまったからじゃないかなと。
前半から中盤までは時代の影響を受けない、風化しない普遍的なものを描いていると思うのだけれど、
オビトさんがペラペラ喋り始めてから急に古臭く感じられたんだよね。
連載時期を見てみると
1999年43号から2014年50号まで連載された。
2014年までやってたんだ……ええ……
んーとね。
これリアルタイムで読んでても、オビトの考えとか、オビトが考えた無限ツクヨミっていうソリューションってもう古すぎるでしょ。
エロゲでいえばこれってゼロ年代前半の話じゃないですか。
エロゲじゃないにしても、もうペルソナ4が出た時にはこの発想は古いと思うんだよな……。
『ペルソナ4』(ペルソナフォー、Persona4)は、2008年7月10日にアトラスより発売された
そうなのよ。だいたいこの時代の頃には、セカイを巻き込んで心中したがる系のボスはもう「ダサい」やつになりかかってた。
そんなものは「ペルソナ4」の足立というアイコンによって書き換えられ、矮小化され、否定されたんだよ。
この頃にはもう自己責任の時代になってたもんね。
大きな物語とか社会そのものを論じる空気じゃなくて、
ちゃんと個人で頑張って絆を作ろうって話になってたもんね。もうこの頃にはサバイブSNSとかtwitterとかSNSが生まれてたもんね。
そういう願望を抱くやつは今の上書きされた社会だともう足立でしかないんだ。
ナルトのうちはオビトの語りというのはその時代の前の話でしか無いんよ。
しかもあとでうちは一族の特殊性みたいなのを説明されて余計にドン引き。
うちはの特殊な偏りを持って、セカイがどうとか語られてもなあ…ってなる。
結構中盤まで普遍性のある話をしてるなと思ったからこそ、後半の方はかなり感情移入できるかどうかみたいな
好き嫌いがわかれるような、そんな展開になってしまったのかなと思う。
もちろん、物語としてみればナルト単体では何の問題もないけれどね。
長い時間かけて描いていた忍びのセカイの話だから、現代と切り離して彼の心情に寄り添うことはできないことはない。
ただ、誰とは言わんけどもう2014年ころになって、うちはオビトの言い分聞いて、それに同調して我々現代の社会を語るようなやつはダメでしょ。
まして、2023年にもなって、未だにオビト節で社会について嘆いてみせるのはさすがにどうかと思うんだわ。
それはそれとして、ペルソナ4の足立は好きだったなあ
なんで僕じゃあだめなのかなあ!?
結局、僕じゃなくてもいいんだよなあ……
というか、僕とどこが似てるんだろうなあ……全然似てないじゃん
あなたはただ諦めて現実から逃避しているだけだ!
あなたにも絆はあったんだよ・・・育てなかっただけで!