「さあ聞かせてくれ、お前を縛る論理とやらを」
「あの方がそう言ったんだ。間違っちゃいけない。
感情ではなく、論理で判断しろって。常に正しくあれって」
「ならばその論理が間違っていないと誰が保証する」
「馬鹿かお前は。論理が間違っていたら、自分の行いが正しいかどうか、
どうやって判断すればいいんだ」
「自分で判断すればいい。自らの心で定めた、正しいと思う行いをすればいいだけのことだ」
「心で…判断…」
(中略)
「我は天使。我個人の意思を挟む余地はない。」
「自らの意思を廃すというのなら、お前は何のために任務に挑む。
気づいているのだろう?自らの心を偽り、論理の矛盾から目を反らし続けた結果、
今の自分がどうなっているのか(論理破綻)」
「ならどうしろって言うんだ!私だって死にたくない。もっとみんなといっしょにいたい!
でも、あの方を裏切るくらいなら……」
「お前の抱く、人間に対する想いは、イルザーブから教わったものだな?
そこに矛盾を感じたということは、お前はイルザーブの教えに疑問をいだいたのではないか?
真にイルザーブのことを思うのならば、何故その考えを伝えない。
もし主が誤っているならあ、それを正すこともまた従者の務めだ
盲目的に手駒として従うことが、本当に正しいとお前は思っているのか?」
「…」
「選べメティサーナ。このまま滅びるか。それとも俺と仮契約をして生き延びるか
そうすれば、お前が納得していない状況で敵対することは少なくとも無い」