なろうマンガ・B級マンガなどの感想

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「とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話」 マンガ業界の怖さもあるけど「過労」と「不信」で一人の人間が壊れていく様子がこわいマンガ

以前にtogetterまとめは見ていたけど、kindle unlimited無料だったから読んでみたら、ボーノさんだけでなく編集長やねとらぼにも大分苦しめられたという話が描かれていた。

togetter.com

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最終的な経緯まとめはこちら。

『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』(佐倉色)の作品中に登場するWEB関連情報まとめ - Togetter


今のところ、作家さんは「まんがホーム」にて連載マンガ家として仕事されていてその後新作も出ているみたいですね。よかったよかった。


実際に読んでみた感想=なんだかいろいろ納得がいかない部分が多いかな……

・この作家さんは、兼業作家さんであり、仕事に行きながらマンガを描いている。ゆえに社会経験がない人ではない。というかむしろかなりしっかりやり取りをされている。その割に作業量がおかしいような気がするが、あまり納得できる説明はされておらずイメージがつかみにくかった。



・この作家さんは状況を説明するのがあまり上手ではないのか、精神状態がおかしかったかその両方であるように見える。第七章あたりはちょっとひどいと思う。精神状態がおかしかったのだろうということを考えると無理もないが。なので、どうしても「信用できない語り手」感が強い。



・この作家さんは(祖父以外に)誰のことも信用できない、非常に警戒心が強い人でありかつ、なんでも自分で抱え込もうとするタイプの人間であるように見える。実の親からの暴行やストーカー被害などが原因とのことらしい。なので、マンガに関して相談する相手もいなかったようだ。。。ってほんまに?友人にも一切自分がマンガを描いていることを明かしていないってマジかよ。
 

・途中から躁鬱がかなりひどいことになっており、いつ自殺してもおかしくない状況に何度か陥っていたようだが祖父の存在が支えになったと本人は語っている。いよいよやばくなった時に、親戚の医者を呼び寄せてくれるくらいには様子をみてくれていた。


・問題の編集者ボーノ氏はガチでヤバイ。炎上発生後すべての対応を作者に振っていて、ツイッタースカイプをずっと見ていたが、一切対応せずに傍観していた。作者の妄想ではなく本人に確認したらあっさり認めたそうだ。さらに、「事情知りませんでした。応募してすみません」と書いてきた読者の手紙だけわざわざ作者に送り付けるようなことをしている。とてもひどいなーとは思う。
 しかし、だからこそよくわからないのだが、なぜこの作家さんは、これほど信頼できない編集者に対してずっと電話でのやり取りを継続しているのだろうか?普通に考えて、途中からは訴訟を考えて文書でのやりとりに変更すべきだと思うのだが。というか、実際にメールでのやりとりやスカイプのやり取りがあったように記述しているがマンガではひたすら電話でやりとりしたような描写になっていて???となる。これ本当のことを描いてるの?


この人はやばいなーと思うのは、途中から「自分がいまの理不尽な状況から解放されること」ではなく「業界の改善」みたいなおおきな話にシフトしてしまっていること。 そういう意識を持つことによってはじめて行動できたというところが大きいのだと考えればそのことはまあいいとして。(自分だけのためだったら行動できなかったといっているが……)。そのせいか、まずはボーノ氏を担当から変えさせるという一番最初にやるべきことをなぜか一切せず(マンガで理屈はこねているが全く説得力がない)、さらに自分を削りながらの戦いに抵抗が薄れているようで非常に見てて危なっかしかった。


自分を守りながら、むしろ自分のために業界に一石を投じるというほうが良いと思うのだが。ぶっちゃけ「担当者を変えてもらう」という1アクションを引き出すだけで充分今後につながる話なのだがなんか会社や業界そのものと戦おうとしているような雲をつかむような話になっていて無駄に消耗している印象を受けた。

私に、チャンスを与えてもらえるだけの価値は、本当にあるんでしょうか?

という感じで、やたらと自己評価が低いからこそ自分のためとか、自分の気持ち、だけでは動けないのだろうな、と。そのあたりがわかるのがつらいところだなぁ、と。「骨を断たせて肉を斬る」みたいなことをやってる気がした。普通に何回か死に戻りできること前提の戦い方やぞそれ……。



・ひとつ前の続きになるけれど、角川のCW編集長とのやり取りがかなり「稚拙」に感じた。いきなり大きな要求を投げるのが、小さな要求をのませるための「テクニック」ならいいんだけどこの作者さんは本気で言っている。そしてそのことに正義を感じていたり、このくらいの要求は当然だと思っているっぽいところがまた。 「大義」によって自分が大きく感じられたのかもしれないけれど、相手の立場に立って考えてみたら、要求内容と戦い方がズレてるでしょ。 実際には向こうからした時に「よくあるトラブルの一つでしかない」「すでに社の評判は悪いがそれでもなりたいやつは多いから気にすることではない」=向こうは今の状況に対して危機感を感じていない、と読者の私でも思うのに、まるで自分が相手ののど元に刃を突き付けたかのような気持ちで戦っているように見えた。要するに現状把握ができてない。向こうが現状に危機感を感じていないのに、編集長にリスクや多大なコストを負わせるような要求をしてもそんなん通るわけがない。ぶっちゃけ、この編集部に「正しい理屈」なんぞ一切通用しないことが前提なのに、力関係が弱い状態で正攻法で戦おうとしているのが謎。しかも、それならそれで世論をもっと巻き込むとかが必要だと思うのに、なぜか一人で戦おうとしていたり。何を読まされているのかよくわからなかった。
 相手のやばさはいままでさんざんつらい目にあって嫌というほどわかっているはずなのに、なんかやり取りがまだ相手をまともな人たちだと信じている。自浄化作用があることを前提にしてふるまっている?それとも、この漫画のネタにするためにどうせ無理だと思ってやってる?そのあたりが全然しっくりこないので、ここでも「信頼できない語り手」という印象が強くなる。


・最終的に100枚どころか1729枚も描かされることになった色紙については、適当な金額を編集部が支払うことになったが、その際に作者側が色紙を描くための時間的物理的コストがわかりやすく示されている部分がとても参考になる。
 


飛鳥新社自体は問題がおおくあるが、少なくともこの作家さんに声をかけたHさんは、この作者さんにとってはいい編集者だったらしい???



なお、問題となった「桜色フレンズ」は、いじめと親の虐待がテーマらしいです

同級生にいじめられたひきこもりヒロインと親からDVを受ける主人公とその姉妹のやりとりを描いた作品で、それを読んでてなるべくつらくないように何重にもオブラートに包んで描いている、と描かれていました。

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