過程には興味がないと思うので先に結論を書きます。
①DL数は2億5000万人。1か月後のDAUは1億人と予測する。
②売上は年間4000億(四半期1000億)と予測する)
③pokemonGO!の利益は、アップルにもっていかれる分考慮した上で4割とみる。(70%×6割の利益)
④取り分は、Niantic社(ゲーム制作)が5割=800億、ポケモン5割=800億、任天堂0割と考える。
⑤このうち任天堂が持ち分から得られる利益は
Niantic社の分については26%=208億、ポケモン社については32%=252億と想定する。
⑥plusの売り上げは初年度は200万。2年めが1000万と想定する。利益率は5割として計算するものとする。ただし、pokemonplusの売り上げ予想は2017年度会計に組み込まれているので今回は無視する。
⑦以上のことから、最大で
pokemonGOから208億+252億=460億の営業利益上乗せを期待するものとする。
⑧現時点でポケモンgoの売り上げを全く想定してない17年度の営業利益予想は450億なので、⑦の結果を加えると、ポケモンgoを加えた通年での営業利益予想は910億となる。
これは任天堂が18年度予測として出している数値とおおむね一致しているので、任天堂の見立てはそのくらいなのかもしれない。
はっきり言ってかなり適当です。ただ、大事なのは自分の頭の中で計算式を作っておくことだと思ったのでとりあえず。計算式さえしっかりしていれば数値はその都度修正できますし。とにかく今回の任天堂、ろくに全体的な数字示さず断片的な部分で煽る人多すぎてかなりモヤモヤしてます。
皆さんもアンダーライン引いたところは自分なりに考えてみてください。
こういう記事を書いておいてなんですが、現時点での売り上げや利益を予測するにはあまりに情報が少ないです。今後セールスランキングなどを見ながら修正していきましょう。
ここから下は計算式に入れた数値の説明なので、興味がある人だけどうぞ。ここがおかしい、と思うところがあったら是非コメントを頂ければ助かります。
記事を書いたきっかけ
『ポケモンGO』の収益構造と任天堂の取り分について試算と解説をしてみました - さようなら、憂鬱な木曜日
『ポケモンGO』売上のうち、約7%~約11%が任天堂の決算に寄与してくるわけです。(繰り返しますが、ポケモン社の収益配分を30%~50%と仮定した場合の試算です)
ホッテントリしてたので読んでみたのですがアレ?ってなりました。具体的には
①任天堂のNiantic社に対する持ち分は無視?
②ゲームの利益率は無視?
というところが気になりました。
「株式会社ポケモンの持ち分」だけではなく「Niantic社の持ち分」は計算しないのだろうか?
今公表されてる情報では、pokemonGO!を提供しているNiantic社にかかわる資本構造はこうなってるそうです。
フジテレビはイングレスを好きにできる?出資比率を試算してみた。 | charingress.tokyo
Nianticは、任天堂が26%出資している持ち分会社(出資比率25%以上は関連会社)ですから、
ポケモンからの32%を計算するのであればNiantic社の持ち分を除外するのはありえないですよね。
普通にこちらを見落としているのか、それとも知っていたうえでなにか事情があって除外したのかは説明してほしいなと思います。
除外する理由としてはこちらのIRかな?明らかに、任天堂は全くNiantic社からの利益を計算にいれてないような表現をしていますね。
もしかしたら、本当に全くこちらからの配分はないのかもしれません。宮田さんもこのIRを引用されていましたからないという前提で考慮されているのかなと思います。
利益配分について、アップルに支払う以外の取り分はどうなるかな?
参考にしたいのはgumi。ここはFFBEなど他社の版権物の運営だけ任されてるゲームが多いです。で、売り上げの4割がそういう他社に支払うライセンス料なんですよね。3割がアップルとしても高すぎる。全部が他社のゲームじゃないのにこれだけのライセンス料を払ってる。ってことは、版権って思ってる以上に高い。
(まぁgumiの場合、FFBEについてはゲーム開発まで他社がやってるので仕方ない部分はあるかもしれませんが。
Niantic社としてもIngressではなくPokemonでなければここまで世界中にヒットしなかったと思ってるだろうしかなりpokemonブランドは価値が高いと思う。ゲーム開発は全部Niantic社がやっていたとしても版権提供しているポケモン側が4~5割程度とっているのではないかしら。
それ以下ならかなり良心的だと思われる。
Twitterでは任天堂自体が単体で10%配分されるという声も目立つが特に根拠となる資料がなかったので一旦無視することとする
そもそもポケモンGOの売り上げではなく利益率はどの程度になるのか?
また、気になることとしては分配前のNianticの収益はどのくらいか?ですね。
位置ゲーは、サーバー代結構かかりますよね。年間売り上げが4000億ならば、利益はその半分以下になると思います。
これは同じく位置ゲームが主体のモバイルファクトリーの業績ですが、利益率は40%以下となっています。
あるいは、ガンホーの利益率だとどうでしょうか。大量の広告費を払っているため利益率55%くらいですが、固定費だけなら利益率は6割でした。3割はアップルにもってかれる分だから実質的な利益率は9割でしょうか。
Niantic社は、pokemonGO!単体の利益なら、
規模の経済や、モバファクと違って広告費を払っていないことを考えると利益率さらに高いとしましょう。利益率は5割~6割とみてよい。
Niantic社はご存知のとおり「Ingress」を無料で提供していてこちらの費用負担もありそうですが実はIngressとPokemonGO!のインフラはほとんど同じものを活用していると思われるので二重の費用は必要ないと考えられます。こちらの運営はPokemonGO!の費用の2割程度と見積もります。
(※サーバー費は財団からのカンパで成り立っているという声もありますが……法人として独立した後は駄目だと思う)
ということで、利益率は5割とみることにしましょう。
ただし、これについてですが、前提そのものが間違ってる可能性があります。利益計算前にポケモンにライセンス料が支払われる。そこからさらに諸経費引いたものがナイアンテック社の利益になる可能性があります。
売り上げはいくらになるか
これについては、宮田さんの見通しを一時的に援用させていただきます。
はっきりいって、pokemonGOの売り上げが今後加速するのか、それとも減速するのかはわかりません。
個人的な感想としては、都心部ではかなり人気が持続すると思います。その結果、集客プラットフォームとしての機能が注目されるようになれば売り上げはさらに伸びそうです。もちろん、スタートダッシュ時のユーザーの脱落も考えると、今のペースを持続するか多少伸びる程度かなと考えています。
だから、某証券会社は初年度の売り上げ1000億→年間売り上げ2000億とみているようですが個人的に売上は4000億いってもおかしくないと思う。
そして、PokemonGoPlusについては未知数ですが実際にゲームをプレイした感想としては必須アイテムとはなりえないと感じました。(子供や親子は欲しがるだろうけどね)なので、プレイヤー人口の1割程度、2000万個くらいが限度かなという見通しです。これでも多すぎるくらいだと思うのでもう少し差し引いて考えます。
あほみたいに高い数字を予測している人もいますが、私はこの立場はとりません。
任天堂の業績予測 – 100万ドルの米国株ブログ‐株価、為替の予測で資産形成
まとめ
売り上げが4000億までなら、大きな上方修正はないと想定します。任天堂四季報の18年度の予想から見ても、ポケモンの売り上げ4000億までは想定していると見るべきでしょう。
つまり今の価格ならPER70ですから割高です。
今の価格が割安というなら、ポケモンgoの売り上げがいくらになると思ってるのか説明してください。
肝心なのは、売り上げランキングを監視して計算することであって売り上げを妄想することではない
大型IPは知名度が高い故に初速は異常に早いけれど、失速する傾向にあります。また、今一位を維持しているのは、他のアプリが月末ガチャの前で課金控えをしているからかもしれません。月末ガチャの時期に1位を死守できない程度なら、少なくとも日本ではモンストと同程度の価値としか言いようがありません。
モンストを擁するミクシィは、利益を全部自分で得られる立場でしたが時価総額はMAXで5500億でした。今の任天堂はモンストと違って利益は多くて3割しか入らないのに、ポケモンGo出てからこの3倍時価総額増えてるけど大丈夫か?モンストの10倍の利益が必要だよ?世界でヒットしてるポケモンはこの何倍の売り上げを出せるか、ということになりますね。
なので、7月月末、8月月末のランキングなどを見ながら売り上げを推測すべきでしょう。ここらへん行く前に「pokemonGO!は絶対に成功する」といって買うのはやや博打ではないかと思います。初動で買った人ならともかく、今は一度かなり高値までいって降りてきているところです。まだ買うのは早いと思う。
というわけで、ポケモンgoだけではとても今の株価は正当化できないと思う。