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貸倒引当金の計上

アップバンク、見えない「横領疑惑」の真相 | ゲーム・エンタメ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

Appbankとしては
「第三者を入れない調査を実施して報告書出した。これで十分だからもうこれ以上調査しない。問題はなかった。あとは必要になったら自分で告訴するから、お前らこれ以上口出しするなよ」という態度になってますね。


その割に

――昨年10月に「業務関連データの外部流出について」という発表を行っているが、これと不正送金は関係ないのか。
廣瀬:特別そういったことはない。本件については今も調査中だ。

という受け答えがあったり、調査報告では不十分だから質問しているのに「調査報告の通り」という受け答えをしている。特に2ページ下の受け答えがすごい。さすがに「元役員は誰にお金を払ったのですか?」って聞かれてその答えが「調査委員会の聴取の結果がサマリーに書いてるから読んでね。ちなみに私が直接聴取したわけじゃないから(それが間違ってても責任取らないけど)よろしくね」なんて受け答えをされて信用しろという方が無理がある。当然再度突っ込まれて、結局「どこの誰なのかまったくわからない。」って返してる

「とても必要な調査が終わったようには思えないんですが……」とツッコミどころ多すぎですね。

当然こんな調査報告書で通るわけがないと思ったら東証からおとがめなしのようなので、まさか……通ったのかな? 殆どの人はなっとくしてないようなので今後も当然揉めそうですが、やまもといちろうさんもこの会見を受けて、恐喝の件とは違うところでツッコミいれててなんだかなー、、、という感じがします。

記者会見の記者が本気で突っ込んでて笑う。

「与えられた試練」という気持ちはわからなくもないが、だったら非公開会社として試練を乗り切っていただきたい。上場会社なので、株主に対してはどう考えるのか。

いやほんとだよ……。


と、ややこしい話はやまもといちろう氏や市井の会計詳しいツイッタラーさんに任せるとして私はしょぼく貸し倒れ引当金の基礎のお勉強でも。

Q:不正送金の金額1.4億円についてはどのような修正をしたのか。

A:本日開示した「過年度に係る決算短信等(一部訂正)の公表について」を見てほしい。複雑な処理はない。不正送金された金額を、送金日ベースで長期の未収入金を計上、同時に貸倒引当金を積んでいる状況だ。
もともと不正送金は外注費で行われていた。外注費は発生ベースで計上し、2カ月後に送金していた。今回は架空外注費ということが判明した。監査法人と相談の上で、外注費は取り消すが、2カ月後の送金日の時点で長期貸付金を計上することにした

Appbankの今回の不正送金の会計修正処理は「返ってこない長期貸付金」として貸倒引当金を積む⇒次の期に貸倒損失計上

①外注費としてすでに費用計上されてた
http://kanjokamoku.k-solution.info/2006/07/post_98.html

外注費 1.4億 普通預金 1.4億

②2ヶ月後の送金日の段階で長期貸付金に振替

長期貸付金 1.4億   外注費 1.4億

③貸し倒れ引当金の計上は?
http://www.integrity-cst.com/article/14552716.html

貸倒引当金繰入 1.4億  貸倒引当金 1.4億


パットわからんと思ったらこの「貸倒引当金繰入」って項目があるんですね。

とにかく、

・すでに外注費としては払っていたので改めて資金は動かないよ。問題ないよ。

・その金は返ってくる見込みが無いけど今期はB/S上は長期貸付金という項目にしておくね。

・でも返ってくる見込みが低いから全額貸し倒れ引当金を計上するね。
 P/L上は「売掛金」がなくなってしまう分費用になるよ、と。

・来期になったらシレッと全額貸し倒れ損失として計上して何もなかったことにするよ

と、そういう感じかな。

まぁこんなケースはめったに無いでしょうが、貸し倒れ引当金を元に企業を見るのはおもしろいかもしれない。



Appbankは今回の件を「営業外費用」として処理してますね。

(イ) 営業上の取引に基づいて発生した債権に対するもの・・・販売費
(ロ) イ、ハ以外のもの・・・営業外費用
(ハ) 臨時かつ巨額のもの・・・特別損失

あえて特別損失にしないところがいいですね。 
通常の会計の修正を行っただけで、問題なんて何もなかった。
やまもといちろう?しらないですね……という感じにしたいんでしょうか。


中堅(特に海外向けや景気変動の影響を受けやすい)企業などは、貸し倒れ引当金に注目して企業をチェックする必要があるかも……

会計処理を見る限り、
これは次期に発生するであろう「貸し倒れ損失」について
好調なうちに費用計上しておこうという仕組みのようです。

もちろん節税に使われたりしてもこまるので、上限額が決まってます。
https://biz.moneyforward.com/blog/houjin-kaikei/allowance-for-bad-debts/


以上のことを考えると

①前期と比べて一気に貸し倒れ引当金が増えてる場合
②逆に、売掛金が異常に多いのに引当金がやたらと少ない場合

の両パターンで注意が必要な気がします。



①については江守HDの倒産について貸し倒れ引当金に焦点を絞って追跡してる記事が面白いですね。

http://club109.hatenablog.com/entry/2015/05/12/081729

①中国で不正な売上を計上し、売上の水増しを行っていた
②中国での取引のうち、その7割が回収できない可能性発生
③その結果、多額の貸し倒れ引当金を積まなければならなくなり、特別損失に計上
債務超過


②についてもやはり江守HD


こういう観点で見ると、
アップルインターナショナルやネクステージ、ヘリオステクノはやっぱり怖い……。

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