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アルスラーン戦記1巻

ルシタニア人

「我らがイアルダボート神は人を平等に扱う!
 だが貴様らはどうだ!?
 人の下に人をおくあの奴隷制度はなんだ!?
 イアルダボート神はそのようなことは許さない!
 人はみな平等だ! 

 よって

 我らが神の教えに下側に貴様ら異教徒は差別し殺してもいい!」

「言ってることが支離滅裂だ!
 ではなぜマルヤムをせめた?同じイアルダボード教ではないか?」

「マルヤムは東方協会派だ!
 貴様らバルスなんぞと手を組む軟弱な輩は滅びればよいのだ!」


??

「神がかりの国王と聖職者のくせに人殺しがすきなバチあたりのお陰で
 かくも多くの者が異国に屍をさらすはめになったわ」

「いいではないかモンフェラート」

「死んだ同胞は天国へ行けるのだし
 生き残った我らはこの豊かなバルスを支配できるのだ!
 大陸公路と銀山と広大な穀倉地帯をな!」

「…マルヤムの戦を覚えているか?ボードワン
 先だってマルヤムを滅ぼしたおり、子どもや赤子まで火中に投じたであろう」

「ああ 神の敵であったからな」

「あの時の悲鳴が今も耳について離れぬ
 異教徒だからとて赤子を殺すような我らに
 神は祝福をもたらすであろうか?」


巻末の田中芳樹荒川弘の対談面白い。

そのあとすぐに銀の匙がはじまって、
「あ、この方はウマが好きなんだな」とわかったんです。
しかも、おなじ戦いを描くのでも
「銃撃戦よりちゃんばらの方が好きそうだぞ」と。
そんな方に「アルスラーン戦記」を描いてもらうなんて
こんなにありがたいことはないと思いました。

ビジュアル化するときに大事なこと

1話めは原作の前日譚ですね。
荒川先生はなんであのエピソードを描こうと思ったのですか?

戦争がはじまってしまうと、そのまま話が転がっていってしまうので、
まずは国のなりたちとか、アルスラーンとその両親、
王様と王妃の関係なんかも描いておきたいなと思ったんです。
あとは、王都エクバターナや、バルスという国の豊かな文化とか。
まずはそういう土台を作っておこうと。

原作第二部の始まりの方で、皇子が普通に街の中を歩いてますよね。
その雰囲気に憧れみたいなものがあったので、
「ああ、二話目からここでひどいことが起こるんだな」と思いながら描いてました。

テーマの着想

ペルシャが舞台になっていて、史実も織り交ぜられているんdすよね。
ペルシャ帝国の時代というと、ササン朝くらいまで。
そのあとはイスラム共同体の侵攻を受けて、いろいろなものが壊されちゃう。
だから、あれだけ栄えていたのに資料が意外と残ってなくて。
石碑や石像、食器なんかで、かろうじて
「当時はこんな服を着ていたんだ」ということが想像できるくらい

日本のちゃんばらは自信がない。
西洋ものだともう栗本薫さんの「グリンサーガ」がある。
違う所で勝負しなければと思った所にふいに浮かんだのが「ペルシャ」だった。

鋼の錬金術士の構想は
魔術や「賢者の石」について色々調べているうちに、
「こんなにおもしろいテーマなのに、なんで誰もメインでやらないんだろう
 誰もやってくれないんならやっちゃえ!」と。

銀の匙も、「農業高校のマンガ、誰もやってないな」
というところから始まったんです。
隙間産業、ニッチ商法、ですね。

天才だー

田中先生のキャラクターがこんなに人間臭いのは
やっぱり観察眼なんでしょうね。
多分田中先生は性格悪いんだろうななんて。

大切なのはキャラの外面というよりシーンですね。
原作を読み進めるほど、「あ、これ描きたい!」というネームが
頭のなかでパッと出てくる感じ。
その時、キャラクターはまだ棒人間ですが、
シーンとしてはコマ割りまで全部出来ちゃう。

執筆を旅に例える

荒川:
最終回までだいたい考えてからスタートしましたね。
終点の駅があって、その途中にいくつか大きい停車駅を考えて、
間の線路を連載で埋めていくという作りでした。

田中:
東京を出発して、大阪に着く話なんだということは決めてある。
ただし、その途中をなに線経由にするか、それとも
リニアがが通るまで待つかと。
ルートをガチガチに決めてしまうより、
キャラクターの性格なり、その状況に応じて、
余計な駅によってみたり、逆に飛ばして通過してみたりする。
荒川さんのお話を聞いてみて、驚きました。
さんざん「お前のやり方は異常だと言われてきたので。」

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