先物手口とマンガの感想

先物メインですが、マンガ感想の方もよかったらどうぞ

アニメ「私、能力は平均値でって言ったよね!」 クソのような原作がアニメスタッフの努力で何とか見れる作品に仕上がってて涙を禁じ得ない

あくまで個人的な意見なんですが。

私はFUNA氏原作作品がなろう作品の中でもトップクラスに嫌いでございまして。

ポーション頼み」はまだギリギリセーフとして、「8万枚の金貨」は「異世界スマホ」や「百錬の覇王(これはなろうじゃないけど)」よりもひどい最悪クラスの作品だと思ってます。

yoshikimanga.hatenablog.com


んで、「能力は平均値」の原作はどんな感じかというと、好きも嫌いもなくて「虚無」という感じです。

イキり描写がひどくてしんどい「賢者の孫」を劣化させたような作品(発表順を考えると、「能力は平均値」を改善したのが「賢者の孫」といったほうが良いかな?)といったほうがいいかな。賢者の孫の「俺またなんかやっちゃいました?」に耐えられない人にはこちらの方はかなり苦痛でしょう。


「賢者の孫」は、主人公のイキりや周りの持ち上げっぷりがほんとにきっつーってなるものの、敵の方は(「常にちょうどいい強さ」というご都合こそあるけど)ある程度ちゃんと納得できる感じ。というか、敵が人族じゃなくて魔族だから、あんまり深いこと考えずに戦いを楽しめるようにはなってる。丁寧に快感だけを感じさせてくれるような作品になってる。


一方、こちらの「能力は平均値」は、よむひとによっては快感を強く感じられるかもしれないけれど、その分「不快感」を与える描写がすごい多い。

そう、あれだ。「宇崎ちゃん」のポスターみたいな感じだ。私はこの作品を語ろうとすることによって宇崎ちゃんポスターを嫌う人の気持ちが少しだけわかった気がするわ。

敵が魔族とかじゃなく人なので、とにかくわかりやすく善と悪を分ける必要があったのだろう。SAOの作者並みに敵キャラがゲスとして描いてくる。それを仲間や主人公がオーバーキル気味にボコって「主人公TUEEEE」や「スカッとジャパン」をやる。それはそれでいいんだけど、「賢者の孫」と違って「私目立ちたくないのに―」とか言いながら何度も反省なく「あ、私またやっちゃった」をやらかすので「目立ちたくない」は嘘にしかなってない。

仲間の描き方もひどい。特に仲間の一人「ポーリーン」はもう完全にいじめっ子であり、「相手を悪のように描けば主人公パーティーはどんなゲスなことをやってもOK」みたいな作者の価値観がふんだんに出ていて大変読んでてひどい。読んでる側としては「どっちも悪だろ」に感じられる。やりすぎなんだよ。この「不快な奴であればどんなに残酷なことをしてもOK」をさらに突き詰めたのが「金貨八万枚」になりますが、いったんその話は置いておく。

そんなわけで、この作品を「賢者の孫」の後にアニメ化するというスタッフは頭悪すぎだろう?って思ってたんですが……



意外なことに「私、能力は平均値でって言ったよね!」のアニメはちゃんと見れる作品に

アニメスタッフさんめっちゃ頑張ってる。明らかに作品の性質が違うというところまで作り変えてる。若者向けの「主人公TUEEEE」「チート能力をもとに弱い奴をぼこぼこにするの楽しい」という主人公たちの無法者感を楽しむ作品ではなく、おっさん向けのパロディ満載アニメに作り替えてしまってる。


「なろうは原作ファンがうるさいのでアニメスタッフがその作品をクソだから直したいと思っても直せず、無理に頑張って原作に忠実にアニメ化する」みたいな話を聞いたことがあるが、少なくともこの作品ではそんなことは全然ない。

素材である原作のひどい部分はバッサリ切り捨て、さらに不要なキャラクターもガンガン削り、そのかわりに別のキャラを入れて、話のお通じをとても良くしている。

しかし、削るばかりだと中身がすっからかんになってしまうことを理解して、削った後に別のキャラクターを入れ、そのオリジナルキャラに暴れさせることでしっかり物語に味を感じさせるようにしている。

ターゲットを明確に絞り、それにあわせて作品の根っこのコンセプトすら変えていく。原作ファンに遠慮して異たらとてもできないであろう判断をしっかり行って、そのたーげとの視聴者がしっかり楽しめるように作品を調整しなおしている。


とても勇気のある決断だと思う。

これも「Amazonプライム限定」だからこそできたことなのかもしれない。


「なろう原作アニメは、原作に遠慮してそのまんまアニメ化してクソを作ってしまう」という話を否定しうる一作だと思う。




まぁ、そこまでやっても原作がゴミなので、傑作とはとても言えないのだけれど。

原作よんでなかったら「ふーん」程度の作品で途中で切ってたかもしれない。でも、本当に、本当に頑張ってるなぁと思う。この努力ぶりは涙なしには語れない。だから、せっかくAmazonプライムに入ってることだし、私は最後まで見続けようと思う。

頑張れアニメスタッフ。最後まで原作に負けずに戦い続けてほしい。


アニメ。原作に抗って視聴者のために笑える作品を作ろうとしてるスタッフさん偉い。

原作マンガ。コミカライズ担当の実力不足もあるけど原作どおりになってる。

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