はい。当然難易度はルナティックモードです。
同じような主人公しか描けない、ある意味新海誠異常に作家性が偏ってる森先生の作品。
常に現代社会をきらう厭世・自然回帰願望が強かったがついに原始時代まで来てしまった。
DrStoneと違い、体系的な科学知識がない人間からすれば
できることは火をおこすことくらいしかない。
安全に寝られる場所を探さないと、人は一晩だって生き延びられない
・家は自然の洞窟に依存するしかない。
・石器ですらろくに作れない。となると
・大型獣ばかりの上、敵対する人間勢力がいる
生きるだけでもぎりぎりの状況。
そうやってできることが限られていて
かつ生きることだけに集中しなければいけない。
そのシンプルな状況こそ、一番生の実感が得られる。
そうやってぎりぎりまでできることを絞って集中したその先に
なんでもできる自由の世界が開けている、という塩梅。
「まず死んでいる魂を生き返らせる。話はそれからだ。そのためには殺し合いが必要だ」
毎回森先生の描く作品はこれである。
ただ、原始時代はやはり特別。
自殺島の時ですら人のコミュニティがあったのにたいして
原始時代の段階では人は最強ではない。別のスキルが必要になる。
安全が確保できない限り、むやみに獲物を捕ると
血の匂いを発生させてかえって窮地に陥るくらい難易度が高い。
狩猟民は常に移動しながら暮らしているからキャンプの設営が日常であり
そのための知恵が豊富にある。
敵だらけの中で生き延びることに特化した精神を描くという意味でこの作品が「本番」なのだろう。
今まで森先生がいろんな作品を描いてきたのはこの作品に到達するためだったのかもしれない。
原始時代の中でどんどん成長していく主人公を描く。
それが、この先生の到達したかった地点だったのだとしたら
これは心して読まないといけないなと思う。
当然だけど、原住民の方がはるかにいろんな知識や知恵やスキルを持っている
この作品が素晴らしいなと思ったのは
「格闘技」や「戦い方」以外の面では、主人公たちより原住民の方が詳しいこと。
「オオカミ」をパートナーにしようとしたり
車輪を作ったりして部分的な知識チートはあるが総合的に向こうの人たちの方が強い。
狩りのスキルや「知恵」などは現代のわれわれとは比較にならないくらい洗練されている。
主人公たちはその狩猟民である彼らのそばで生きることでそれらを謙虚に学んでいく。
知識チートと現地の知恵の「合体」によって、王蟲すらも克服するのが人間の業
5巻まで読んだ。意外なことにこの作品はもうすぐ終わるかもしれない。
最大の敵であるマンモスとの戦いが始まってしまった。
この戦いは、今まで原始時代で得た知識と、現代の知識チートの合体で挑んでいる。なかなかに熱い展開だ。
このまま倒し切れるのか、それともいったん挫折してさらに回り道をするのか。どちらにしても熱い展開になりそうだ。はやく続きが読みたい。
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