私的なマンガ感想の倉庫

オタクとしての生存報告用。ブログで他の人向けに感想書くのはつかれるので、自分用のメモです

秋元康の何がすごいのかということを株にこじつけて語ってみたかっただけの話

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これはブランジスタという会社の株価のチャートです。


秋元康に関するものはすべてがブランジスタになります。秋元康はミダス王のように触れるものすべてをブランジスタに変えます。

今回騒動を起こしている須藤凛々花というアイドルも同じです。彼女はファンタジスタというよりはブランジスタです。秋元康に関わった以上、全てはブランジスタにならざるをえない。

今までファンだった人間にとっては、今までがピークで、ここからは落ちていくでしょう。アイドルとしてのコンテンツの価値はガタオチです。ファンから搾り取れる金は減るでしょう。しかしそれはそれでコンテンツとしてAKBに注目度を供給します。一般人にとっては今が初動。ここからの須藤凛々花は「炎上コンテンツとして消費される商品」としてまだ搾り取れる。ここから注目度が上がっていって散々いじって遊び尽くしたらポイ捨てされるその時まで彼女に自由はありません。商品価値をすべて絞り尽くされた後でようやく秋元康から開放される。

秋元康の何がすごいのかというと……

株を買うでも、アイドルを応援するでもなんでもそう。秋元康が何故人気なのかといえば、一時的とは言えこの頭のおかしい熱狂を「すごく大きな規模で」起こすことができるからです。
秋元康の作り出すコンテンツに、他を圧倒する素晴らしい中身が無いことなんて殆どの人は知っています。ですが、彼はそんなコンテンツに中身があると思わせ、多くの人を巻き込むことができる。「多くの人がこのコンテンツによって動く」という状況を作ることにかけては天才としか言いようがない。

株式市場なんてホントひどいですよ。秋元康が関わっていると言うだけで、調教された欲豚どもがブランジスタの再来を求めて群がってくるのです。


秋元康が関わっているもので一度も中身があったことなんてないのに皆がアリえないくらいの高い価格でそれを買う。そしてしばらくして熱狂が下げたらすごい勢いでみんなが投げ売りする それでもみんながそれを買うのです。

つまり、秋元康が提供するものに関しては、中身なんてどうでもいいんです。そもそも秋元康は、単体として他より圧倒的に価値のある何かを提供なんかしません。秋元康は「得体の知れない動き」をもたらすだけです。そして、皆はその「動き=ボラティリティ」さえあればそれでいいのです。
総選挙は、素晴らしいアイドルを提供するものではなく、「順位変動という動き」を売っているのです。私はAKBやら乃木坂やらの人が可愛くないとか美しくないとかそういうことがいいたいわけではありませんが、彼女たちの価値は「順位変動という動き」という価値が大きすぎるのでこれと比べたら比較にならないと思う。その証拠に、「総選挙順位」や「CD枚数でオリコン1位におしあげる」という競争心を煽るしくみがなくても彼女たちに同じだけの金を払うファンってどれだけいますか? いませんよね?つまり、ファンたちは、自覚があろうがなかろうが、自分が応援しているものの順位が上がるという「動き」を買っていると思う。

(※つい最近になって、こういうソシャゲでも問題視された競争大好きなヘビーオタと別に、デレステFGOと同じように微課金を楽しんでるAKBファンの人の層が非常に分厚いことがわかってきました。なので、この記事で今まで書いていることと矛盾しますが、最近は本当に各アイドルの個性を愛してるファンがAKBブームを支えてるんだなって思ってます。話の流れをぶった切ってしまうのであえて極端な意見のまま続けます)



こういう発想って、本当にすごいと思う。自分が作ってるものが本物の価値が思ってる人には出来ないと思うのです。だって、自分が作るものに本当に価値があると思ったら、その作るものの価値で勝負したいと思っちゃうじゃないですか。余計なものを混ぜたくない。実力で勝負したいって思っちゃうじゃないですか。
秋元康にはそういう考えはまったくない。彼にとっては、価値あるものを提供するとか実力で勝つとかどういうことはどうでも良くて、ただ視聴率を、PVを、そして金を獲得することが正義。言い方を買えるなら先程述べたようにどれだけ多くの人間を動かせるか、が正義ということだ。バズりつづけることへの貪欲さに比べたら、自分のプライドとかをゴミのように扱えるというのがすごい。良いものを作るために力を注ぐのは、すべての人の注目を集めてからで良いのだ、という割り切りがすごい。
そしてなによりも、その自分の哲学を、AKBやそれ以下のメンバーに浸透させているのがすごい。教育者とはとても呼べないまでも「経営者」としてはあまりにも優秀だと思う。「やりがい搾取」なんて言葉が生ぬるく感じるなにかもっと恐ろしいものを感じる。


これについては「本人たちが幸せで、ファンも幸せなら、それに対して文句を言うな」と言われるだろうから、特に何も言わないが、私はどうしても馴染めないとだけ。とにかくここでは、秋元康は、すごいなぁ恐ろしいなぁってことだけを言っておきたいと思います。





秋元康に関する者へ関わる人間の心得

秋元康に関わるものはすべてブランジスタになる」これをよくよくイメージしておくことが必要でしょう。何かのコンテンツがヒットし始めたら、どこかの時点で一時的には爆発的な成長を見せます。しかし、そのコンテンツの人気が過熱してきて、なんとなくピークみたいなのが見えてきたらそこで満足して距離をおくことが必須になるでしょう。流行り廃りは当たり前とは言え、秋元康が関わるコンテンツは動きが激しすぎるので何の備えもないと普通に死ねます。素人にはおすすめできない……。逆に、適当なところで満足すればこのように大きな上げを取れて幸せになれるのです。
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ここで満足できず、もっともっと上がると思って深追いすると、ゆっくり順位を上げていたときの勢いよりさらに激しい勢いでものすごい下落を食らって致命傷をうけることになりかねません。

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祭りが終わればこのとおりですが、こっちだけを見て「秋元康の関わるコンテンツなんかを信じるのはバカ」と言うだけの人は、それはそれでアリだと思いますが、物事の一面(下落局面)しか見えていないという気もします。

秋元康仕手株のスーパー本尊みたいなものです。人間に欲がある限り、秋元康の周りに群がる人はいなくなりません。みんな中身なんて見ていません。「自分だけは美味しい思いをしたい」という気持ちなのです。AKBだろうがNMBだろうが全部同じです、実際の価値より遥かに遥かに高い金を払ってアイドルをワッショイワッショイして、ある時点で誰かがババをつかむ、というゲームをやっているわけです。アイドルなんて永久に応援することは出来ないのですから、引き際をわきまえないと今回のように突然死リスクは常にあるってことですね。最後まで応援するつもりなら最初から覚悟が必要でしょう。さすがに今回のクソ運営みたいなことはそうそうはないと思いますよ。


須藤凛々花さんの今回の騒動に関して言えば「スチュワードシップがかけらもない清々しいまでのクソ運営ぶり」という感想です

アイドルというものに株式市場のようなルールがあるのだとすれば「適宜開示」のルールを破ったとして、即上場廃止になっても驚かない。ファンにとって評価が下がるかもしれない重大な事実が発生した時に、それを隠したあげく、決算発表直前まで買い煽りを続け、ファンに大量のお金を投入させた上で「下方修正」を浴びせるようなものです。それなんてサイバーステップだよ……って感じですね。 

あるいは、週刊文春にマークされたからといって、その直前に値段を釣り上げて売り抜けよう、みたいな話ってもうそのまんまジグソーとかモルフォじゃん……。

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(画像:http://orekabu.jp/bakakabu/)

私は元からアイドルなんてクソ株市場と同じようなもんだと思ってるから驚きはしませんが、あらゆる意味で今回のタイミングや開示に至るでの態度、開示後の成り行きなど、クソ株でよく見るやつそのもの過ぎて心が震えますね……。まぁ、ルールがしっかり有るはずの株式市場ですら、この手のクソ企業がたくさん残っているので、別に須藤凛々花さんもアイドル続けたいなら続けてもいいし、それを応援するファンがいても全然おかしくないとは思いますが、私にはこの人がどういう人であってもこんなクソ開示連発されたらアイドルとして以前に人として応援できないですね……。

この問題に触れずに処女信仰がどうとか、他人の幸せを素直に祝福できない人が、とか言ってる人は、ちょっと何言ってるのかわかりませんね。「結婚の報告が出たら評価を下げるのはどうなんだ」と言われても、批判するならそういう「売り」で商売やってる運営でしょうし、評価が下がらないと思っているならなおさら選挙期間中に隠さずに言うべきなのに、なんで情報を開示しなかたんでしょうね?しかも、実際のところは発表があっても応援を続けると言っているファンが多かったのに、そのファンを信用していなかったのは運営ですよね?って問にはどう応えるつもりなんでしょうか。

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