マンガ喫茶でまとめて読みたいようなマンガを紹介するブログ

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こいのことば

「…いっそ人とのつながりとか全部リセットして
 一から新しく自分を始められればいいのにって。
 せんせーはそう思ったことある?」
「あるよ。でもあんまりオススメはしないかな。
 捨てた分と同じだけの価値を新しく手に入れるって難しいから。
 …僕の実体験。
 ひとりきりで働いて寝て起きてまた働いてさ。
 そんなことして生きていると
 だんだん「死ぬまでの時間を逃げ切る」ためだけに仕事してるような気になって
 ただ生きるってことだけに精一杯になってさ。
 …そうすると、悠里ちゃんみたいに色々悩んだり考えたりしなくなっていくんだよ
 考えるの面倒臭くなって、バカになっていくんだ。」

…面倒くさかったのは俺だ。
悠里の気持ちを勝手に想像して妄想して
それだけで疲れてしまった俺は

おろかにもそれだけで彼女に大事な何かを与えたつもりになってしまったんだ。


俺はきっと彼女を救わない
こうして彼女の貴重な人生をむさぼることに暗い優越感を覚えているくらいだ。
この歳になって、ようやく自覚した。

――僕は、クズだ

なあ悠里
君の母親は本当に悪い人なのか?
もちろん聞かない 聞けるわけがない

何が会ったのかは分からない。
でも、初めて思った。

「知りたい」

俺の知らないところで、
じわりじわりと致命的になっていく彼女のことを
今ようやく 俺は知りたい

彼女はきっと 俺が本気で問いただせば
いつだって話してくれたんだと思う。
…でも俺はいいやつでいたかったのだ。
悪いのは全部彼女の両親で 俺が彼女を慰める
そんな関係なら、        罪悪感を覚えずに済む。

…ほら、余計なことを考えるとこうなるんだ

もうこいは終わりだ
あいにいこう
会いに行こう
今まで逃げ続けてきた青春という名前の怪物に

……悠里は、全てを悟ったように落ち着いていた。
今の、座ってお茶を飲むだけの行為に
すべてのわだかまりを溶かす何かがあったのだろう
そして、それは俺には皆目見当もつかない何かだった

……んーー…
今俺さ、すっげえいい気分なんだよね。
悠里が帰ってくるときのためならなんだって頑張れるくらい

んでさ。俺超すごい発見したんだけど聞いてくれる?

もしも彼女が20歳になったその日に来てくれなくても
次の日とか来年とか10年後に彼女の気が変わってくれるかもしれないじゃん?
それならもう後は、ただそれを死ぬまで信じ続けられれば。
もうさ 俺って死ぬまで無敵なんじゃないか?

って。そう思ってみようと思うんだ。

これは愛なんかじゃない
これは こいだ
これは 乞いだ
だからこれは願いなのだ。

生きて30歳になった

私今月30歳になったばかりだし割りと今人生に絶望しかかったりしてるけど
このフレーズの破壊力半端ない。
私も何か心に祈りや願いを持って生きよう。





おまけ

さて、突然じゃが
誰にだって「困ったちゃんな友達」の一人や二人おるじゃろう
そんな諸兄にとってはご周知の通り、彼らとて別に悪人というわけではない。
思春期の未熟さ、安易な打算、その場の勢い。
それらのブレーキがちょっとユルいやつというのはおるもんじゃ。
七木田は、未熟で打算的で考えなしの女の子じゃった。
そんな彼女にとって悠里が別の男と付き合っているという状況は渡りに船だったことじゃろう。
彼女は愛しい小宮にそのことを知って欲しかった。
悠里のことを諦めて欲しかった。
だから彼女はあの後こういう。

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